Apple Watch がついに発売になりました!
Facebook や Twitter などからの報告も続々。世の中、盛り上がっていますよね。
僕たちの PROPELa も早速 Watch 対応を整えて、AppStore にサブミットします。上手くいけば10日間後くらいには、みなさまのお手元にお届けできるようになる予定。
使ってみると、、Apple Watch って、PROPELa のためのハードとして作られたんだっけ?
と不遜な冗談を言いたくなるくらい、想像以上に相性抜群!いずれ Apple おすすめアプリとして取り上げられたり、Watch の標準機能に組み込まれたり、、なんて夢想してます。笑
Apple Watch を手にされた皆さんは、是非是非、試してみてください!
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watch の誕生は、clockから?
ということで、今日は”watch”にまつわるお話しを。
時計を表す英単語には、なぜ watch と clock があるのか。小学生のころ英語を勉強し始めて感じた素朴な疑問です。
watch は腕時計、clock は置時計などと、その用法の違いも教わりましたが、でもなぜ、それぞれをそう呼ぶのかということについては教わらなかったし、せっかく疑問に感じたのに、その時は自ら詳しく調べたりもしませんでした。
僕の場合、その後、建築を勉強するようになって、思いがけずその疑問を思い出すことになります。
キリスト教の教会堂には礼拝の時を告げる施設として鐘楼が付いていますが、それをドイツ語では Glockenturm、フランス語では Clocher と呼ぶのだそうです。
何かの発音と音が似ていますね。そう、clock です。
そこで例によって語源を辿ってみると、clock の語源は中世ラテン語で、やはり「鐘」を意味する cloccam(クロッカム)という言葉で、ドイツ語やフランス語にその名残があることを知ります。
鐘楼ですから建築です。少なくとも建築の一部を成す大型の機械設備でありました。時計塔というと、僕たちは文字盤がついているものをイメージしますが、当時、より重要なのは「鐘の音」であって、文字盤のない打鐘装置だけのものも沢山ありました。
時代が下り、今ではもう骨董屋に行かなければ見られなくなってしまいましたが、日本では昭和の半ばころまで、家庭に置き時計があるのは珍しいことではありませんでした。例の有名な唱歌「大きなノッポの古時計」式の、黒光りするような木製のものが多かったと思います。振り子が揺れていて、ボーンボーンと音のなるそれらのほとんどは、そういえば中世の建物のような仰々しい形をしていました。それは、小型化した鐘楼だったからなのです。
では、watch はどうでしょう。watch で表す時計は、腕時計と懐中時計です。
英語で watch といえば、もちろん「見る」という意味がありますが、なぜ同じ時計なのに呼び方が違うのでしょうか。
その理由には諸説あるようだけれど、僕はこの説を推したい。
最初は大きな機械を内蔵した建築だった clock が、技術の進歩とともに小型化し、部屋の中に入って置き時計になり、掛け時計になり、さらに小型化して、、ついに懐中時計や腕時計のようなウェアラブルデバイスとなった。その時、そこに人間との関係における劇的な意味の転換が起きたのだと思うのです。
つまり、鐘楼や置き時計の時代には人は音で時を知ったのだ。けれど、この画期的なウェアラブルデバイスの登場以降は、目で見て時を知るようになった。時間というものが、「場所に紐付いて(間欠的に)耳で聞く存在」から、「行為に伴って(いつでも)目に見える存在」へと変化したのです。
それは現代の僕たちが Apple Watch によって受ける衝撃に近いかもしれません。その感動が watch という呼び名を生み出したのではないでしょうか。
出典:http://bandainamcoent.co.jp/
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土圭から時計へ。
話は少し変わりますが、、僕たちTofuONEの応援団の一人の方から「風流時圭男」というご本を頂いたことがあります。この本は、それこそ clock から watch が誕生し普及していくころ、それをいち早く日本に紹介したある企業の創設者一族の物語。実在の人物をモデルとして描き起こされた小説なのだけれど、タイトルの「時圭」という見慣れない表記が気になっていたら、「あとがき」に「時圭とは時計の旧表記」 ということが書かれていました。
さらに調べると、言葉が移入された当時の表記は「土圭(どけい)」といって、中国周代のころ、方角や日影を測る計測器のことだったらしい。「平安時代に日本に伝えられ、機械時計の無かった時代は、「日時計」の意味として「土圭」が用いられていた(語源由来辞典)」ようです。ちなみに「圭」という文字は先端が尖った短冊状のものを表象するから、土に細い影を映す日時計の文字として納得できます。
その後、現在の「時計」になる過程は実はよくわかっていないらしいのですが、機械式時計が発明されて、中国では「自鳴鐘」という呼び方が生まれました。やはり音にフォーカスした名前です。一方日本では、音より時間そのもの、もしくは計測すること自体に関心が向いたためか「ときはかり」とも呼ばれ、当て字として「時計」が定着したようです。元々の文字からの展開を考えると、これは言い得て妙の、本当に上手い当て字だと感心します。
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そして、Apple Watch。
Apple Watch も発売されて、未来を見渡す現在。
時を計り「いま」がどの地点にあるのか24(もしくは12)時間の中で相対的に示すのが「時計」だとすれば、PROPELa で僕たちは、次の予定までの時間を示す新しい「時(間)計」を作っています。
残り時間を示すといってもカウントダウンのように<急かすため>ものではありません。次の予定に移動が伴うならその移動分も含めて、どのくらいの余裕があるのかを把握することで<安心するため>のものでありたい。その安心が「いま」に専念することを助け、「いま」の価値を高めるものとなるはず、と思うからです。
Apple Watch はまさに「いま」を拡張するデバイス。
しかしその大きさや操作性の制約から、その中で機能するアプリケーションには、その刹那に必要なことだけを取り出せる「研ぎ澄まされたシンプルさ」が求められます。
PROPELa はその観点から、このデバイスに最適と思える回答を用意しました。
リリースまでもうちょっと。楽しみにお待ち下さい!